心拍数でレースをマネジメントする(KOREA50k_6位)

4月に韓国で開催をされたKOREA50kの50kmのカテゴリ(50.8km/D+2,660m)。招待選手とは大きく離されてしまったものの、20代の普通のサラリーマンが真剣に練習した結果、6位に食い込むことができた。今回はレース前に立てた3つの戦略を軸に、その振り返りを行いたいと思う。

◯データサマリーでの振り返り

今回のレースでは、以下の3つを大きなテーマに戦略を大局観とし「タイム」「消費カロリー」「心拍数」をKPIとして中間目標設定を行った。

【3つの大きなテーマ】

①想定タイムのパフォーマンスで走れるか(筋肉担当)

②想定の消費&補給カロリーのヨミが当たるか(大脳担当)

③LT値以下で走行したときに、脂質中心で走れるか(内臓担当) 

結論、①の「レースタイムは、ほぼ◯」、②の「消費カロリーは、△(←再検討の余地あり)」、③の「LT値以下はもはや計測不能(←追い込みすぎてLT値以下にならない)」という結果に。

今回の設定ペース設定自体、一人で黙々と練習する中でかなりのデータベース化していた、トレッドミル(ランニングマシン)での「斜度&ペース×心拍の増減」を起点に設計しました。(※トレッドミルのデータベースは後日公開)


1. ターゲット心拍数を決める。

2.過去のトレッドミルのデータ(斜度&ペース×心拍)と1を突き合わせて、想定消費カロリーとタイムを算出。

3.目標タイムとの乖離幅を見て、1の再調整を行う。


メリットとして、タイムだけではなく補給関係(ジェル)の消費関係が推定できること。今回は全ての区間で予定通りの補給(保有ジェルがプラスマイナスゼロ)ができた。ただし、コース状態、天候や気温は全く加味していないデータなので、ここは今後の微調整が必要なのかもしれない。


◯心拍数の平均とばらつきの考察

平均心拍数だけではなく「区間別で心拍数のばらつき」が出るか、SUUNTOのMovescountからExcelを出力して分析をしてみた。ここでの標準偏差とは「心拍数の乱高下が激しい」という認識となり、心拍起点で消費エネルギーやタイムを推測する上で非常に重要な指標になる。

結果を見てみると数値のデータは正直で、青枠の「山岳区間」だときつい登りで心拍数が弾け飛ぶ一方、ピークを超えたつなぎで整えていることが多く心拍の乱高下が激しい。一方意外だったのは赤枠の下り基調の後半区間で心拍数が落ちず、心拍も安定しなかったこと。ここの区間は後続のランナーの猛追にあい、「逃げる→疲れる→減速」を無限に繰り広げて荒れていたことも影響があるかと思います。あくまでも心拍数と消費エネルギーが比例する前提だけど「下りでもエネルギーは消費が多い」のは、今後何度かデータを取りながら考察をしてみたい。

にしても、全体平均で169bpmで戦ったレースは非常に辛かった。笑


◯今後の成長に向けて

公式リザルトを見て、トップ10をタイムのゾーン別に3つ分けて考察した。

もともとレース前の戦略上も「前半で突っ込んで、後半我慢」というレースを予定したため、データを見る限り、後半しっかり潰れた。笑 予定以上に青枠の山岳区間はしっかりとプッシュして頑張れたことは非常によかった一方、後半はスキル面・メンタル面も含めトレーニングの余地がしっかりと確認ができた。


◯まとめと今後に向けて

実はこのKOREA50kの4月20日は、4年前に初めてトレイルランニングの試合(東丹沢32.1km)に出た日。あの時は「ランニングシューズ」「ジェル何それ美味しいの?」「バックなし」というスタイル。笑

あれから4年という月日がたち、やっとアジアで1桁の順位に入りました。周りのトレイルランナーから「20代が羨ましい」と言われるほど、20代は若手の環境。成長は必須なので、その成長を徹底的に可視化を通して、世の中に良いアプトプットを出したいと思います。

今後は、トレーニングピークスで自分の負荷状況を可視化しながらしっかりとトレーニングを積んで、次節の恐羅漢65km、NAGI52kmで強くなり、penang100kmとOntake100kmで結果を出したい。

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