「敗戦」のレースから、何を学び、何を得て、どう次につなげるか。

2019年シーズン序盤の中で、メインレースの1つに位置付けをしてきたPenang eco 100。4月のkorea50kをはじめ、全ての連戦をこの試合のためのトレーニングレースとして位置付けにし、身体のことを徹底的に理解しに行き、日々を過ごしてきた。今回は「総合で5位入賞を目標」とします、という設定に対し「ドクターストップによる途中棄権(60km地点)」という「敗戦」のレースとなった。

「もう脈も低すぎる。これ以上行くと、脱水症状になるから行かせられない。」


英検4級レベルの語学力じゃ分かるわけもなく、google 翻訳を介しながら伝えられた、メディカルスタッフからの通知。この100kmのために準備をしてきたのに、終わるときは儚(はかな)かった。そして「ある日突然、彼女に振られた時」の突然奈落の底に落ちるのと似た感情によると、体内の全ての臓器・物質が出るような激しい嘔吐による嗚咽を、静寂な山のエイドステーションでのメディカルエリアで数人の医療スタッフに囲まれながら、こだまさせた。

※スタッフに盗撮され、2年ぶり2回目のエマージェンシー登場のシーン。


◯レースから何を学んだのか

ひとことで言うと「人間の身体は未知」ということ。心拍を起点にレースを展開するためにも、5月に徹底的に測定をしてきて、「ペースに対しての心拍数」を理解していたつもりだった。

日本ではあり得ない「太陽×気温×湿度」の組み合わせ。ざっくりいうと、炎天下のサウナでレースを展開しているような感じで、今までの心拍数の常識が通じない。もちろん、暑さ対策はできること全てをしたけど、「ジョグしているのに、心拍数はこのままいくと潰れちゃう」という数値(LT値超)をずっと示しており、走りながらペースを遅くすることを余儀なくされた。案の定、暑さが補給等にも影響をきたし、結果的に暑さに慣れること(=暑熱順化)が出来てないことが直接的な内臓の激しいトラブルに影響をきたしたと思う。

トレイルは地球を真正面から体感する競技で、気候という外部環境が激しく影響をする。対策はしていても、自分自身の身体が外部要因にここまで影響を受けること、そのあとの未知の反応を学んだ。


◯何を得たのか

「(半分は)有限実行できました」ということが2つの理由からこの言葉が適当だと思う。

① 今回の主テーマの50%の有限実行

今回の主テーマ「成長を結果で返す」。前半のタイムだけだけど

昨年:7時間25分(38位)

今年:6時間14分(5位)


全体的にペースを上げたわけではなく、身体をマネージしながら「走る」「パワーウォーク」のメリハリをつけ、「エイドワーク」を計算して短くする。今年1年間、自分自身の身体と向き合い、「自分のペース」を理解し始めたこと、が良い回転を生み出すことができた。


② 今回の運行計画の50%の有限実行

今回の前半の想定は「6時間15分」に対し、実績は「6時間14分」。合わせに行ったというよりは、自分のペースを予定通りに遂行したら、たまたまタイムが合ってきたという感じ。ここのところ、50-60kmは大体「距離」と「累積」から想定タイムは精度よく読めていている実績は良い自信になった。

①、②に共通していることは、「練習を数値で振り返る」こと。俗にいう社会人という立場。限られたルーティンの中でどう振り返るか?がある程度確立出来てきた状態(=KGIとKPIがはっきりしている状態から、現状のGAPをみれる状態)かなと思う。


◯どう次につなげるか

Keep:現状のトレーニングの流れの継続

Problem:地球を自分に合わせるのではなく、自分を地球に合わせる

Try:順応に関する論文等のインプット

今回、大きな失敗(Problem)だなという「暑熱順化」。実は、暑さに慣れるために「サウナ」に入る、ということを少しだけやってみた。ほとんど入ったことなかったため、入っただけで頭がクラクラ。結果的に、「暑さに慣れる」のではなく「暑さへの対策」をする(帽子、首・背中クーラー等)ということをしていた。結果的に、「想定できる地球の環境を強引に自分の都合の良い方に合わせに行ったこと」これは、「#地球楽しむ」なんて言っておきながら、全く矛盾した行動。過去に、高所順応でも失敗をしており、地球相手にする競技、しっかりと真正面から向き合う理論はまずインプットからの必要性(Try)を強く認識した。


◯まとめ

「九回裏に逆転され、甲子園を夢みる高校球児がマウンドで泣き崩れるシーン。」大げさではなく今回の「敗戦」のレースは、そのぐらいと同じ心境であり、レースを降りる時、ほぼ同じ光景を赤道直下の異国の地で晒してきた。(プラス、ゲ◯付き)。そのぐらいの想いが入ったレース。

この敗戦は「いつか大成したときのベースとなるターニングポイント」の大切なレースにするためにも、引きずるなんて無駄な時間は過ごしている暇はない。だから、この速攻の振り返り(*マレーシア出国前にブログ掲載)。この成長期に最高のカンフル剤をいただいた機会ととらえ、3週間後の「おんたけウルトラトレイル100k」へ全身全霊でアプローチしていこうと思う。


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