心拍数が及ぼすトレイルへの影響(OXY SHOTレビュー)

「閾値走」「trainingpeaks」「パワーメーター」などの言葉がトレイルランナー界でじわりじわりとはやり始め、「心拍数」への注目度が高まってきたのが2018年ごろ。今回は、アンバサダーを務めているインナーファクトさまからのフォローで今季前半で試した「OXY SHOT」について、「心拍数がトレイルに与える影響」を事前実験で調べ、「実際の測定実験」での評価を、まとめました!


・心拍数がトレイルランニングに及ぼす影響

トレイルランを始めたころ、「1km〇〇分」という形で、なんとなくペースを設定。しかし、トレイルは走るだけではなく、レース中の「補給」もかなり戦略的にやらなければならない競技。~50kmぐらいまでのレースだったら、気合でなんとななっていたものの、100kmなどのウルトラのレースだと、もう「速度ベース」のペース設定は成り立たず、せっかく高いお金を払って出たレース(ASO100、mesastila100、上州武尊)などもゴールできずたくさん失敗をしてきた。


その中で、2018年の後半から注目をしたのが「心拍数」。ちょうど、雑誌などでLT値に関する特集が組まれたりで、ペースだけではなくエネルギー補給も心拍数が起点になることが世の中に出始めたので、大量のインプットを経て、2019年の主テーマで取り組み始めました。まずは日々のトレーニングを心拍で振り返りつつ、自分の現状を「心拍数」で把握し、レースでも実践をしてみました。


自分自身を数値で把握することはパワーがかかるものの、レース中は「心拍数」のみでペースメイキング&補給のタイミングをコントロールできたので、失敗もいろいろしたけど、海外レース初の1桁順位(korea50km 6位)など一定の成果が出たと思います。


・OXYをレースで使う前に実験してみた

今回、チャレンジさせていただいたのが「OXY」。バーティカルから100milerまで、さまざまな選手がレビューを出しており、ざっくり言うと飲んだら「心拍数」が下がります!でレースで楽になります!という心拍起点でレースを作る中では神様みたいなツールな一方、あまりにもすごい製品に「ほんと??」「正直大丈夫?」と思わされる部分も多かった。ということで実際に測定してからレースへの展開をしてみました。笑


3か月に1回くらいのペースでとっている、ランニングマシンを使いスポーツドクターの先生も交えた、Vo2の測定。今回は無理にお願いをして、同日に2回測定をしてもらい比較を行いました。オレンジ線は無補給のとき、青線は10mlを補給して測定をしました。(13.8km/h&斜度2%〜15.6km/h&斜度4%)

自分自身(測定メンバー)でも驚いたのが、心拍数の上がり方が全然違うこと。感覚的には斜度が上がって、足の乳酸がたまる感覚(※LT値超えて、筋肉の糖が枯渇している状態)が少なく、楽にピッチが回せたかと思います。レース実践では、勝負をかける10〜20分前くらいに吸収して、そこから勝負をかけることがちょうど良いかと!というデータとなりました。

まだN値は少なく、まだまだデータ分析が必要だけど、毎週末の峠走(設定ペースを決めて)でも実験をしてみてデータ的には「斜度率が5%以上」の区間で心拍数の乱高下が少なく安定性が増しているデータを定量的にとることができました。運動生理学的にも細かいことは全くもって分かりません(笑)が、酸素が与える心拍への定量的な影響は確実に有意差が出るし、自分自身の体で実験して使い方も見えてきたので、ジェルの補給と同様に、今後レースへは必需品になっていくかな?と思います。購入や詳細は以下から!


・まとめ

戦略性が必要となるトレイルの業界。いろんな人が色んな製品やセオリーを発表して、ベクトルも色んな軸が生まれるゾクゾクする環境。大切なのは、そのセオリー1本に簡単に流されるのではなく、そのセオリーに対し自分なりに「仮説」を持ち、実験を「数字」で振り返りを行い、素晴らしい製品やセオリーも自分の色に変えていく「スタンス」を持つこと。OXYのレビューをさせていただく環境をもらった時も、まずは製品などを調べ上げ、自分だったらどう調理できるか?といろいろと頭を使いました。数字では結果も出たのでぜひ、心拍を中心にマネージする2019年。色んな環境のレースに出るので、もっと効果的な使用方法をさぐるためにも、チャレンジしてみようと思います!

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