「マメと摩擦と靴下」過去の失敗とマメの原理を中学レベルで考えてみた

先月出場したFTR100kmの中で、ご縁があり使用させていただいた、インナーファクトさまの靴下。100kmのレースでは完全に諦めていた、足のマメが全然できずびっくり。

「足に湿度がたまらないと摩擦が生まれず、マメとかできないよ!要は速乾性大切!」って先輩やメーカーから聞いたレベルのマメの知識。当初は「なんだこれ!まじこれ神!!」と喜んで、メーカーさんにも即レスしたけど、ちゃんと「ランナーの視点」、たまたま持っている「大学院修士(工学)の視点」で、過去の失敗も振り返って、マメの原理を中学レベルまで噛み砕いて考察してみたいと思う。(ジェルと同じパターン。笑)

◯過去の失敗

①「つま先、分厚い靴下履いてみた」事件

トレイルを始めたころ「靴はトレイル用!」「バックは5Lバック!」「ハイドレ完備!」はちゃんと吟味して選んだ一方、靴下は「山だと衝撃多そうだから、なんとなく、つま先が分厚い靴下が安全!」と完全にノリで購入。結論から言うと「お母さん指の横に、新しい指サイズの水ぶくれ」が毎回勃発。ひどい時は、この水ぶくれでそのまま爪が剥がれる、なんて起きてた。毎月のごとく道志村や北丹沢に出場してた中で、ここの部分はすごく悩まされた部分だけど、「自分に合う靴」を探す程度で、本質的な打ち手は見当たらず。。の状態だった。


②絆創膏おんざテーピング

悩まされて悩まされて、ついにやったこと。まさかの絆創膏を内部に貼って、その上をテーピングで保護。「絆創膏おんざテーピング」。これをすることにより「マメはできない!」という結論には至ったものの、指の感覚が全くなく「パフォーマンスが明らかに下がる」という結論。

アルペンスキーの選手でもあるため、インソールこだわってるくせに、足裏の感覚をなくす、パフォーマンス下がる、まさかの失態。本当にこれはやめたほうが良い。


◯中学校の物理学の視点で考えてみた。

①摩擦力の数式について

いろいろ論文を読んで調べてみて、皮膚の解剖学的には「毛細血管?」が大きくマメや水ぶくれにに関係するらしいけど、専門外で難しすぎるから置いといて、、、

【マメ=摩擦力×ゴールまでの時間】

が、数式としてはマメや水ぶくれの発生に大きく関係する。この中でゴールまでの時間は、大会や選手別で可変的なもの。この中での摩擦力は「F=μ×N」である。(←これ、中学校で習った。)

さらに上記の摩擦力の数式を、トレランに当てはめると

【摩擦力(F)=摩擦係数(μ)×皮膚にかかる圧力(N)】

この中での圧力はおそらくは、体重?とかで個人別。

靴下を履く役割は、この中での「摩擦係数(μ)」を減らすこと。つまり、「素足で靴を履く」のと比べて「靴と靴下」「靴下と皮膚」と2層の滑り面を作ることでこの「摩擦係数」を減らすことができる。


②マメの原因は「摩擦係数上昇」によるスレが原因

物理学的に、摩擦係数とは個の素材によって決まることが多い。シンプルに言うと同じ物体を動かそうとしても「ツルツルの氷の上」と「道路の上」では全然違う、ということ。これは、靴下に対しても同じことが言えるらしく、日本褥瘡学会の先生の情報からも、

【靴下が濡れると皮膚にピタッとくっついて摩擦係数が上がる】

ということが言えるらしい(素足で靴を履く状態に逆戻り)。つまり、「足に湿度がたまらないと摩擦が生まれず、マメとかできないよ!要は速乾性大切!」という言われ続けられた言葉は、正確に言うと「足に湿度がたまらないと、靴下と皮膚に生じる摩擦力の中で、靴下の摩擦係数が上がらないから、2層構造状態を維持できて、マメとかできないよ!摩擦係数を引き上げないために、速乾性が大切。」ということ。この摩擦係数は【素材】に依存することが多く、「素材にこだわることは大切なんだな」ということはこれをまとめて、初めて知った。


◯まとめ

本質的に考えると、マメを作らないためには指にワセリンを塗ったり、靴下にこだわったりして「摩擦」を減らすのではなく、「摩擦係数」をどこまで下げるか?ということになる。靴下に限って言えば「素材」に対しこだわりを持つことができるかどうか。FTRで初めて使った、インナーファクトの靴下の魔法は「素材の速乾性」が優れていること。


100kmを超えるレースでは、メンタルがアジリティよりも非常に大きな要素を占める。となった時に、レース中にマメや水ぶくれのトラブル要素をそこまで軽減できるか?は結果に大きく左右されるものとなる。

今後は靴下についても、「5本指型」「足袋型」「普通の靴下」の形状の違い、素材別の考察、靴と靴下の摩擦の考察など、物理学に止まらず様々な視点から考えてみたい。ちなみに、商品はこちらからも購入できるそうです!

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