タイムにとらわれない、レース設計の仕方〜恐羅漢トレイル65kmより〜
初の恐羅漢トレイル65km(D+4200m)のレースの戦略を、korea50kに引き続き今回も心拍数起点で戦略を構築してみました。少し背伸びをして、設定心拍160bpmで目標タイム:8時間55分、昨年度実績で順位20位以内を目標にしてみました。
そもそも「心拍」に着目する理由は大きくは2つあり「トレーニング管理(trainingpeaks)」「エネルギー代謝(糖質or脂質代謝)」で心拍がベースになっていることが大きくこれらは、追ってまとめたいと思う。
〇戦略の大枠と立て方
大枠の戦略に対し、裏では前半のメインレース「penang100km」のために「ポール使用」「新しい補給」「ネガティブスピリット」あたりを定義づけをして、戦術を策定してみました。korea50kmで初めてチャレンジした、心拍起点のチャレンジを今回はもう一段階ブラッシュアップしたので、大きく3段構成の「心拍起点のレース設計」をまとめたいと思います。※消費エネルギー設計のパートはまた後日。
設計の大きな流れは「①GPXから区間割作成」「②トレッドミルの測定」「③レース戦略作成」という大きな流れとなります。
①事前準備「GPXからレースの区間表を作る」
ほぼ最近は配布されていると思うけど、大会HPからGPXデータをダウンロードし、Trailnoteなどを使って、手作業で区間表を作成(下の図の記入の部分)。トレッドミルでの測定データを当てはめるため「距離」「標高」から導き出す「斜度率」も重要。結構これが地味な作業だけど、旅行計画を立てるみたいでワクワクする。笑
これを各セクション別でシートに分けて保存しておき、最後はすべてをまとめるという流れ。
②測定編「VO2MAX」「トレッドミル測定」
心拍数を起点にするために、VO2maxの測定で「LT値」や「VO2MAX」「最大摂取酸素量」などを測定。環境としては、県立体育館やスポーツショップなどでも行っており、ガーミンでも測定できる。
それとは別に、ジムなどで「斜度」×「速度」のマトリクスで心拍データを測定(5分測定&5分休憩)。大体のレースで、よほどの急登区間(岩やロープとか)ではない限り、15%を超えることは無いので、トレッドミルで対応可能かと。マシン上だと環境も良すぎるので、ざっくりと経験則ではあるが1.1倍した係数を戦略用としては使う。
③レース戦略を立てる
①で作った表の心拍数の欄に目標心拍数を記入していく。VO2MAX測定のデータより、LT値(乳酸閾値)などを基準に「攻める区間」「攻めすぎない区間」を分け、②で作った「斜度」「速度」のマトリクスと①の「斜度率」を突き合わせて、タイムを記入していく(①の図の思考の部分)。LT値を超えると、糖が中心に消費されエネルギー枯渇するおそれがあるため、プッシュする区間、しない区間を考えるのは結構悩みます。実際にこれは、エイドワークとの相談もあるため、一概にこれ!というプランは無いのが実態。
各セクションごとのシートに記入が終わったら、全体集計用のシートに集計して、エイド毎の休憩時間や、タイムのプランの松竹梅などの補正を行い、完成する、という流れです。
〇まとめ
心拍数を起点にすることにより、タイムや順位という「他者」にレースを依存することが少なくなった。そんなつまらないことより、徹底的に自分と向き合い、定量的な測定、定性的な練習日誌、それを繰り返すことにより、「内なる自分に向き合う力」を少しずつだけど、見つけてきた気がする。トレーニングなどの準備は徹底的にしてきた。その自信があるからこそ、この環境をいただける「愛する地球」そして、それをアレンジしていただく「大会関係者のみなさま」、ベースで支えてくださるみなさまへ感謝をして、65kmを最高のパフォーマンスを出したい。
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