成功にとらわれず。小さな成長に貪欲に。
4月1日(水)19時ごろ。前十字靭帯再建手術が終わりました。
全身麻酔で意識が朦朧としている中、オペ室から出てきて、妻に発した第一声は
「What time is it now?」
それもそのはず。
手術中はヨーロッパのアルプスのレースを夢の中で走っていて、欧米人と壮絶な順位争いをしていました。おそらく、エイドステーションで外人スタッフに時間を聞いていたのでしょう。(妻からは”幸せなやつだな”って言われました笑)
そんな夢心地も激痛とともに覚め、地獄をさまよったかと思いきや、術後3日も経てば車椅子でちょこちょこ動き回れるまでに。手術明け第一発目は「絶たれた目標」「日々の小さな成長」で感じたことを通し「新たな2020年に向けて」をまとめたいと思います。
◯絶たれた目標
2019年に掴むことができた”手応え”を何としても形にしようと決意した2020年。細かいことは言語化したので今更まとめないけど、”調子良い”からこそ突然の”遮断”は結構辛いものでした。全力でプレーした結果だから、そこには何も後悔なんてなかったんだけど、前を向き続けても何度も何度も何度も思ったのは、
なぜいま?
間違いなく、昨年度で勢いに乗り始めてこれから!というタイミングでのシーズンを棒にふる大怪我。良く聞く話だけど、間違いなくこの思いを昇華するなんて簡単なことではなかったです。
◯日々の小さな成長の喜び
術後3日目。身体中の無数の管も取れてき始めました。
「着替えができる」「トイレに行ける」「買い物に行ける」など日々の当たり前だった生活に戻ってきました。
自分が生まれた約30年近く前には、一つ一つに「周り方が感じた喜び」を手術をして3日で、今度は「自身がその喜びをたくさん感じ」ました。
「小さな成長への喜び」
ー忘れていませんでしたか?
もともと幼いころは「自分との相対評価」だけで感じていた成長の喜び。大人になるに連れて「他者との相対評価」が多くなり、自身の小さな成長への喜びも自分自身も忘れていたものでした。スキーもトレイルも「戦う場所」が上がってくると、その相対評価で成り立ったもっともっとという欲=「擬似的な成功」が出てきて、自己の小さな成長に対し感じ方が鈍くなる。
予選は勝って当たり前・・
あの選手に勝ちたい・・
表彰台以外意味がない・・
ちょうど2019年度上期でKOREA50kで6位以来結果が出ず悩んでいる時は、仮説の成功にとらわれこのサイクルにはまっていたな、と振り返りながら思いました。
◯新たな2020年に向けて
2020年のテーマの一つにコンフォートゾーン(当たり前に戦えるフィールド)からの脱却。
「前十字靭帯断裂からの復活」
きっとアジアのレースで戦う中で、今の成長率のまま行くと”当たり前に達成できるぞ”=「コンフォートゾーンで戦っちゃう」っていうことを神様が察知し、超強制的に怪我というお題をプレゼントしてくれたかもしれません。
4月1日に手術をして、4月15日に退院予定です。
術後1週間で、車椅子から松葉杖へ。
術後1ヶ月で、松葉杖が取れる。
術後3ヶ月で、ジョギングができる。
術後5ヶ月で、ジャンプができる。
術後6ヶ月で、無酸素運動ができる。
術後8ヶ月で、山を駆け回ることができる。
これら全ては今・車椅子でちょこまかしている自分にとっては「全然想像つかない世界」です。30歳にして、こんな世界に挑戦できる2020年となります。ただ、目の前のことに集中しアクションを起こし、日々の成長に喜びを感じ、このマインドセット&習慣を自分のものにする、すごく重要なチャンスの1年。
努力をしても成功するとは限らない。
でも努力をしたら成長は絶対に裏切らない。
結果は後から付いてくる。結果を出してから、ゴールを振り返って今まで復帰までに走ってきたコースに向かって
怪我して良かった。ありがとうございました。
と言えるように。
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